こんにちは、草花こよみ、管理人のYuuです。
園芸店でラベンダーを見ていると、イングリッシュラベンダー、フレンチラベンダー、ラバンディン、デンタータ、レースラベンダーなど、似たような名前がたくさん並んでいますよね。「紫色の花ならどれも同じように育つのかな」と思いきや、実は種類によって葉の形も、香りも、日本の夏や冬への適応のしかたもかなり違います。
さらに困るのが、花が咲いていない苗です。細い銀色の葉だけを見ても種類が分からず、値札に「ラベンダー」としか書かれていないこともあります。ただ、葉をよく見ると、細くまっすぐなもの、縁がギザギザしたもの、シダのように深く切れ込んだものがあり、葉の形から系統をある程度まで絞り込むことができます。
そして、ラベンダー選びでは名前を当てること以上に、育てる地域との相性が大切です。北海道のような冷涼地で育てやすい種類と、関東以西の蒸し暑い夏に合わせやすい種類は同じではありません。花のかわいさだけで決めず、葉、系統、気候まで順番に見ていきましょう。

記事のポイント
- ラベンダー5系統と葉による見分け方
- イングリッシュやフレンチなどの違い
- 地域や用途に合う育てやすい品種
- 鉢植えや地植えで失敗しにくい管理方法
ラベンダーの種類と見分け方|葉で選ぶ育てやすい品種を解説
ラベンダーには多くの原種や園芸品種がありますが、ガーデニングで選ぶときはすべての学名を覚える必要はありません。まずは、アングスティフォリア系、ラバンディン系、ストエカス系、デンタータ系、プテロストエカス系という代表的なグループを知っておくと、苗をかなり見分けやすくなります。
特に注目したいのが葉です。花は季節が限られますが、常緑または半常緑で育つラベンダーでは、葉を見られる期間が長め。そこで、葉の幅、縁の形、切れ込み方、色を最初の手がかりにしてみましょう。
- 葉だけで見分けるポイント
- 主要5系統を一覧で比較
- イングリッシュの特徴
- ラバンディンとの違い
- フレンチの見分け方
- デンタータは葉で分かる
- レースラベンダーの特徴
- 名前と学名を確認する理由
葉だけで見分けるポイント
花がないラベンダーを見分けるときは、まず葉の輪郭を見ます。ポイントは難しくありません。細く滑らかな葉、縁だけがギザギザした葉、葉そのものが深く裂けたものの3タイプから考えると分かりやすいですよ。
細くまっすぐで、縁に目立つ切れ込みがない葉なら、アングスティフォリア系やラバンディン系が候補になります。ストエカス系にも細長い葉を持つものがあるので、葉だけで一つの系統へ決めつけることはできません。
一方、一枚の細長い葉の輪郭を残しながら、縁に細かな歯のような切れ込みが入っているならデンタータ系が有力です。デンタータという名前自体も、歯のような葉縁に由来します。
さらに、葉が中心近くまで深く切れ込み、羽やシダのように見えるなら、プテロストエカス系のレースラベンダー類を考えます。デンタータの「ギザギザ」とレースラベンダーの「深い切れ込み」は、実物を見ると意外と違いが分かります。

葉で見る簡単な目安
細く滑らかな葉ならアングスティフォリアやラバンディンなど、葉縁だけがギザギザならデンタータ、葉全体が羽のように深く裂けているならレースラベンダー類を候補にすると見分けやすくなります。
ただし、品種によって葉幅や葉色には差があります。最初に葉で候補を減らし、そのあと花、株の大きさ、品種ラベルを確認する。この順番なら無理に一目で当てようとしなくて済みますよ。
主要5系統を一覧で比較
ラベンダーの種類を覚えるときは、品種名を一つずつ並べるより、系統ごとの特徴を先につかむ方が便利です。日本のガーデニングで見かけやすい5系統を比べてみます。
| 系統 | 葉の特徴 | 花の特徴 | 香り | 気候の目安 | 向く楽しみ方 |
|---|---|---|---|---|---|
| アングスティフォリア系 | 細い灰緑~銀灰色 | 細い花穂 | 豊か | 冷涼地向き | 香り・花・ドライ利用 |
| ラバンディン系 | 細長い銀緑色 | 長く大きめの花穂 | 豊かでややシャープ | 比較的幅広い地域 | 庭植え・香り |
| ストエカス系 | 細長い灰緑色 | 大きな苞葉が目立つ | 穏やか | 暖地向き | 花姿の観賞 |
| デンタータ系 | 葉縁に細かな切れ込み | 苞葉のある花穂 | 穏やか | 暖地向き | 葉と花の観賞 |
| プテロストエカス系 | 深く裂けたレース状 | 個性的な花穂 | 穏やかなものが多い | 冬は保護しやすい鉢向き | 葉姿の観賞 |
この表で大切なのは、同じラベンダーでも育ちやすい環境が違うことです。例えばアングスティフォリア系は寒い地域で魅力を発揮しやすい反面、暖地の蒸し暑い夏では管理にひと工夫必要になります。

反対に、ストエカス系やデンタータ系は暖地でも候補にしやすいものの、厳しい寒さへの備えが必要になることがあります。「どの系統が一番優秀か」ではなく、「自分の庭にどれが合うか」で考えるのがコツです。
耐暑性や耐寒性は、同じ系統でも品種によって差があります。苗を購入するときは系統だけで判断せず、ラベルに記載された栽培地域、耐寒性、育て方も確認してください。
イングリッシュの特徴
イングリッシュラベンダーと呼ばれる代表的なグループが、アングスティフォリア系です。代表種はLavandula angustifolia。コモンラベンダー、トゥルーラベンダーなどの名前で紹介されることもあります。
葉は細く線のように伸び、灰緑色から銀灰色に見えるものが中心です。花も「ラベンダー」と聞いて思い浮かべるような細い花穂で、紫や青紫だけでなく、白やピンク系の園芸品種もあります。
魅力はなんといっても香り。花の芳香を楽しみたい人や、ドライフラワーとして利用したい人から選ばれやすい系統です。ヒドコート、マンステッド、オカムラサキ、ナナ・アルバなどが知られています。
一方で、アングスティフォリア系は冷涼な気候を好みます。北海道や東北などでは育てやすい候補になりますが、梅雨が長く、夜まで気温の高い地域では夏越しが難しくなることがあります。
ただし「イングリッシュラベンダーは暖地では絶対に育たない」という意味ではありません。耐暑性を意識して育種された品種も流通しています。苗を選ぶときは「イングリッシュ」という大きなくくりだけでなく、具体的な品種名まで確認すると選択肢が広がりますよ。
ラバンディンとの違い
ラバンディン系は、アングスティフォリアとスパイクラベンダーの交雑に由来するグループで、代表的な学名はLavandula × intermediaです。
葉は細長い銀緑色で、イングリッシュラベンダーとかなり似ています。このため、花がない小苗を葉だけで見て「これはラバンディン」と断定するのは難しいところ。そこで株全体も見ます。
ラバンディンは一般に株が大きく育ち、花茎が長く伸び、花穂も大きめになります。開花すると、イングリッシュラベンダーより伸びやかな印象になりやすいですよ。
香りも豊かですが、アングスティフォリアとは少し雰囲気が異なり、シャープさを感じる品種もあります。花だけでなく葉に触れたときにも芳香を感じやすいのが魅力です。
代表品種としてよく知られるのがグロッソ。株が大きくなりやすく、香りも楽しめるため、庭にラベンダーらしい景色を作りたい人には有力な候補です。ほかにプロバンス、スーパーセビリアンブルー、インプレスパープルなども見かけます。
◆「Yuu」のワンポイントアドバイス
イングリッシュとラバンディンは葉だけだと本当に似ています。そんなときは無理に葉だけで当てず、花茎の長さや株のボリュームまで見るのがおすすめです。園芸店ならラベルに学名や品種名がないかもチェックしてみてください。
フレンチの見分け方
日本でフレンチラベンダーとして販売されることが多いのがストエカス系です。代表種はLavandula stoechas。この系統は花が咲けば、かなり見分けやすくなります。
花穂の先端に、ウサギの耳のように大きく伸びる部分があります。これは花びらそのものではなく苞葉と呼ばれる部分。紫のほか、白、ピンク、赤紫など、華やかな園芸品種もあります。
葉は細長い灰緑色から緑色で、品種によってはイングリッシュラベンダーより少し幅があるように見えます。ただ、ストエカス系も葉だけでは迷いやすいため、花があれば苞葉を確認するのが確実です。
アングスティフォリア系より日本の蒸し暑さに対応しやすい品種が多く、関東以西のガーデニングでも候補になります。その反面、厳しい寒さには注意が必要です。暖地で「香りよりも花のかわいさを楽しみたい」という場合には選びやすいですね。
アボンビュー、キューレッド、ヘルムスデールなど、花色や苞葉の表情が異なる品種があります。寄せ植えでも目を引きますが、成長後の株幅を見込んでゆとりを持たせて植えましょう。
デンタータは葉で分かる
「家にあるラベンダーの葉がギザギザしている」という場合、まず確認したいのがデンタータ系です。代表種Lavandula dentataは、細長い葉の縁に細かな歯のような切れ込みが入ります。
葉全体の形は細長いままで、外周だけが刻まれているのがポイント。灰緑色から銀灰色の葉を持つものがあり、葉を眺めるだけでも表情があります。
花穂には苞葉があり、ストエカス系と少し似た雰囲気がありますが、葉を見れば違いをつかみやすいでしょう。環境が合えば開花期間を長く楽しめることもあり、暖地では観賞用ラベンダーとして取り入れやすい系統です。
ただし、デンタータを「レースラベンダー」と混同しないようにしてください。デンタータは葉の縁が刻まれるのに対し、レースラベンダー類は葉そのものが中心近くまで深く裂けます。
この違いを一度覚えてしまうと、花がない時期でもかなり判断しやすくなりますよ。
レースラベンダーの特徴
レースラベンダーは、その名のとおり葉がレースや羽、シダのように細かく分かれています。一般的なラベンダーの「細い一本の葉」とは見た目がかなり違うため、葉で見分ける楽しさを感じやすいタイプです。
園芸ではプテロストエカス系として扱われるものが多く、Lavandula pinnataやLavandula multifidaなど、細かく切れ込んだ葉を持つ複数の植物がレースラベンダーの名で流通することがあります。
つまり、レースラベンダーという商品名だけでは一つの種に決まりません。正確な種類を知りたいときは、苗のタグに記載された学名まで見るのがおすすめです。
花や香りだけでなく、銀緑色の葉の造形を楽しめるのが魅力。鉢植えで玄関やテラスに置いても存在感があります。一方で寒さが厳しい地域では冬の管理がしやすい鉢植えの方が扱いやすいでしょう。
デンタータとレースラベンダーの覚え方
細長い葉の外側だけがギザギザならデンタータ。葉の中心近くまで深く分かれて、羽やシダのように見えるならレースラベンダー類。この違いを見ると迷いにくくなります。
名前と学名を確認する理由
ラベンダーを調べていると、「フレンチラベンダーの写真がサイトによって違う」と感じることがあります。これは一般名の使われ方が必ずしも統一されていないためです。
日本の園芸ではストエカス系をフレンチラベンダーと呼ぶことが一般的ですが、海外の植物資料ではLavandula dentataにFrench lavenderという英名が使われる場合もあります。
レースラベンダーも同様で、一つの学名だけに固定された呼び名ではありません。そのため、「フレンチだからこの性質」「レースだからこの種類」と商品名だけで判断すると、調べているうちに情報が食い違うことがあります。
園芸店で苗を購入するときは、タグの表面だけではなく裏面まで見てください。系統名、品種名、学名、耐寒性、栽培上の注意が書かれていれば、その後の管理がぐっと楽になります。
花が咲いていない株の種類を確かめたい場合も、葉の形だけで決めつけず、「葉の形→花姿→株姿→ラベルや学名」と情報を重ねていく方が確実です。
ラベンダーの種類と見分け方|葉で選ぶ育てやすい品種を解説して育てる
種類の見分け方が分かったら、次は「どれを育てるか」です。ラベンダーは見た目だけで選ぶより、自宅の気候と置き場所を基準にした方が長く楽しみやすくなります。
特に日本では梅雨と夏の蒸れが大きなポイント。冷涼地と暖地では同じ品種でも育てやすさが変わるため、地域、香り、植える場所、管理方法の順に考えてみましょう。
- 地域に合う種類を選ぶ
- 香りと花姿で選ぶ
- 鉢植えと地植えの違い
- 日当たりと土づくり
- 水やりと梅雨の管理
- 剪定と冬越しの考え方
- ラベンダーに関するよくある質問(FAQ)
- ラベンダーの種類と見分け方|葉で選ぶ育てやすい品種を解説して選ぼう
地域に合う種類を選ぶ
「初心者でも育てやすいラベンダーはどれ?」と聞かれることがありますが、全国共通で一種類だけを挙げるのは難しいです。北海道で育てやすいラベンダーと、夏に熱帯夜が続く地域で育てやすいラベンダーでは条件が違うからです。
北海道や東北の冷涼な地域なら、アングスティフォリア系が有力です。ヒドコート、マンステッド、オカムラサキなどが候補になり、冷涼な夏と相性がよければラベンダーらしい花と香りを楽しめます。
関東、東海、関西など、梅雨の湿気と夏の高温が気になる地域ではラバンディン系が選択肢に入りやすくなります。なかでもグロッソは、庭でしっかり株を育てながら花と香りを楽しみたい人に知られている品種です。
より暖かな地域で花姿を重視するならストエカス系、葉のギザギザも楽しみたいならデンタータ系が候補になります。レースラベンダー類は寒い時期に移動しやすい鉢植えで始める方法もあります。
| 育てる条件 | 候補にしやすい系統 | 確認したいこと |
|---|---|---|
| 北海道・冷涼地 | アングスティフォリア系 | 品種ごとの耐寒性 |
| 夏が蒸し暑い地域 | ラバンディン系 | 風通しと夏越し |
| 暖地で花を楽しむ | ストエカス系 | 冬の最低気温 |
| 暖地で葉も楽しむ | デンタータ系 | 霜や冬の冷え込み |
| 特徴的な葉を楽しむ | レースラベンダー類 | 冬に移動できるか |
なお、近年は暑い地域での栽培を意識したイングリッシュ系の園芸品種も流通しています。ですから、「系統だけ見て諦める」のではなく、最後は個別の品種情報を確認してください。
香りと花姿で選ぶ
育てる環境に合う候補がいくつか残ったら、次は自分が何を楽しみたいかで選びます。
香りを重視したいなら、まずアングスティフォリア系。上品なラベンダーらしい芳香を楽しみやすく、花を収穫してドライにしたい人にも向いています。
庭いっぱいに香りを漂わせたい、株を大きく育てたいという場合はラバンディン系も魅力的です。グロッソなどは花茎が長く、まとまって咲くと存在感があります。
一方、見た瞬間のかわいさを楽しむならストエカス系。ウサギの耳のような苞葉は一般的なラベンダーとは違った表情があります。紫だけでなくピンクや白系もあるので、庭の色合わせもしやすいですよ。
葉の造形を主役にするなら、デンタータやレースラベンダー。花がない季節でも銀緑色の葉を楽しめます。あなたがラベンダーに求めているのは香りでしょうか、それとも庭の景色でしょうか。そこが決まると品種選びはずっと簡単になります。
鉢植えと地植えの違い
ラベンダーは鉢植えでも地植えでも育てられます。ただ、初めて育てる種類や、自宅の気候との相性が分からない品種なら、まず鉢植えで様子を見る方法もあります。
鉢植えのメリットは置き場所を変えられること。梅雨の長雨を避けたり、真夏の蒸れが気になる時期に風の通る場所へ移したり、寒さに備えて軒下へ移動したりできます。

その代わり、鉢の中は土の量が限られるため、地植えより乾きやすくなります。真夏は朝に水を与えても夕方に乾くことがありますし、長く育てれば根詰まりも起こります。鉢植えだから簡単というより、環境を動かせる代わりに水分管理をこまめに見る方法と考えると分かりやすいです。
地植えは一度根付くと根を広く伸ばせますが、場所を簡単には変えられません。そのため植え付け前に日当たり、水はけ、風の通り道を確認することが大切です。庭へ直接植える予定なら、ガーデニング初心者の地植えで確認したい場所選びと植え付けも参考にしてみてください。
ラバンディンのように大株になりやすいものを花壇へ植える場合は、購入した苗のサイズではなく、成長後の株幅を想定します。ほかの多年草と組み合わせるなら、多年草・宿根草の花壇レイアウトと配置の基本も合わせておくと、植えすぎを防ぎやすくなります。
日当たりと土づくり
ラベンダーをガーデニングに取り入れるなら、種類選びと同じくらい大切なのが植える場所です。基本は日当たりがよく、余分な水が抜け、風が通る場所。じめじめした日陰に植えて毎日水を与えるような環境は、ラベンダー本来の性質と合いません。
特に日本では「水はけ」を意識してください。雨のあと何日も地面がぬかるんでいる場所や、水やり後の鉢がずっと湿ったままになっている環境では、根のまわりに水分が残りやすくなります。
地植えなら、雨のあとに水たまりができないかを確認します。土が粘りやすく排水しにくい場合は、植え付け前に土壌改良を考えましょう。鉢植えなら、底穴のある鉢を使い、水はけを意識した用土を選びます。
市販のハーブ用培養土を利用する方法もありますし、用土を自分で用意する場合は、排水性だけでなく根へ空気が届くことも意識します。土の種類や庭土の改善方法から確認したい場合は、ガーデニングの土づくりと初心者向けの配合も参考にしてください。
ラベンダーの場所選びは3点セット
日当たり、水はけ、風通し。この3つを最初に確認しておくと、種類選びだけで失敗を防ごうとするより現実的です。特に梅雨のある日本では、株元へ湿気をためない環境づくりを意識しましょう。
水やりと梅雨の管理
ラベンダーを枯らしたくないと思うほど、水を毎日与えたくなりますよね。でもラベンダーでは、水切れだけでなく過湿にも注意が必要です。
鉢植えは、表面だけではなく土の乾き具合を見てから水を与えます。乾いてきたら鉢底から水が流れるまで与え、受け皿に水が残るなら捨てます。「毎朝必ず」ではなく、気温、鉢の大きさ、風、土の状態を見ながら判断してください。
地植えでは、根付いたあとは降雨だけで足りる場面も増えます。ただし植え付け直後や長期間雨が降らない時期は別です。葉や土を見て必要なときに補います。
そして、日本で一番意識したいのが梅雨。長雨そのものに加えて、株の中まで風が通らなくなると湿気がこもります。鉢植えは雨が続くときに軒下へ移動できるのが便利ですね。
地植えでは雨を完全に避けるのは難しいため、植え付けの段階から排水性を確保し、枝葉が密集しすぎないよう管理します。株同士を近づけすぎないことも、意外と大事な梅雨対策です。
◆「Yuu」のワンポイントアドバイス
ラベンダーを夏に枯らしてしまうと「暑かったから」と考えがちですが、実際には暑さだけでなく雨、蒸れ、土の乾きにくさが重なっていることがあります。温度だけを見るのではなく、株元の環境まで確認してみてください。
剪定と冬越しの考え方
ラベンダーの剪定は、形をきれいにするだけではありません。花が終わった花茎や混み合った枝を適切に整理すると、株の中へ風が入りやすくなります。
ただし、ラベンダーなら全部同じ時期に同じ位置まで切ればよいわけではありません。系統や地域によって剪定の適期が変わるため、品種ラベルや販売元の栽培情報を確認してください。
また、長年育てた株は根元が木の枝のように硬くなります。葉のない古い木質部まで一気に切り込むと芽が出にくい場合があるため、どこまで葉や新しい芽が残っているかを確認しながら作業します。
冬越しも種類によって考え方が変わります。アングスティフォリア系は寒冷地で選びやすい一方、ストエカス、デンタータ、レースラベンダー類は品種や地域によって霜や厳しい冷え込みへの対策が必要です。
寒さが心配な品種は最初から鉢植えにしておくと、冬だけ軒下や明るい保護場所へ移動できます。ただし室内へ入れる場合も、暖房の風が直接当たる場所や暗い部屋へ置きっぱなしにするのではなく、その品種に適した光と温度を確認しましょう。
具体的な最低温度は品種によって差があります。数字だけを一律に当てはめず、購入した苗のラベルや販売元が示す最新の栽培条件を確認するのが確実です。
ラベンダーに関するよくある質問(FAQ)
Q1. ラベンダーの種類は葉だけで見分けられますか?
A. 系統をある程度まで絞り込むことはできます。葉縁が細かくギザギザしていればデンタータ系、羽やシダのように深く切れ込んでいればレースラベンダー類が有力です。ただしアングスティフォリア、ラバンディン、ストエカスには似た細葉のものがあるため、花姿、株の大きさ、ラベルや学名も合わせて確認してください。
Q2. 葉がギザギザのラベンダーは何ですか?
A. 一枚の細長い葉の縁に細かな歯のような切れ込みがあるなら、デンタータ系がまず候補になります。レースラベンダー類は葉の縁だけでなく、葉そのものが中心近くまで深く裂けているため、切れ込みの深さを見ると違いを判断しやすいですよ。
Q3. 初心者が育てやすいラベンダーはどれですか?
A. 地域によって候補が変わります。冷涼地ではアングスティフォリア系、夏の蒸し暑さが気になる地域ではラバンディン系、暖地ではストエカス系やデンタータ系も候補になります。同じ系統でも品種差があるため、購入時にはその品種の耐暑性や耐寒性を確認してください。
Q4. イングリッシュとフレンチラベンダーは何が違いますか?
A. 日本で一般的にイングリッシュラベンダーと呼ばれるアングスティフォリア系は、細い葉と花穂、豊かな香り、冷涼な気候との相性が特徴です。フレンチラベンダーとして流通することが多いストエカス系は、花穂の上にウサギの耳のような苞葉があり、暖地でも候補にしやすい点が異なります。ただし一般名は資料によって使い方が異なるため、正確に知りたい場合は学名も確認しましょう。
Q5. ラベンダーは鉢植えと地植えのどちらがおすすめですか?
A. 庭の環境と品種によります。気候との相性が分からない品種や、梅雨や冬に場所を変えたい場合は鉢植えが便利です。日当たりと水はけがよく、その地域に合った品種なら地植えでも育てられます。地植えは簡単に移動できないため、植え付け前の場所選びを丁寧に行ってください。
ラベンダーの種類と見分け方|葉で選ぶ育てやすい品種を解説して選ぼう
ラベンダーは花だけを見ると似ているように感じますが、葉に目を向けると個性が見えてきます。細く滑らかな葉ならアングスティフォリアやラバンディンなど、縁がギザギザならデンタータ、羽やシダのように深く切れ込んでいればレースラベンダー類が候補です。
ただし、葉だけで品種まで断定できるわけではありません。特にアングスティフォリア、ラバンディン、ストエカスは似た葉を持つものがあります。葉、花、株姿、ラベルや学名の順に情報を重ねると、種類を見分けやすくなります。
そして、ガーデニングで本当に大切なのは名前を当てることより、そのラベンダーが自宅の環境に合っているかどうかです。冷涼地ならアングスティフォリア系、夏の蒸し暑さが気になる地域ではラバンディン系、暖地ではストエカス系やデンタータ系など、地域を基準に候補を選んでみてください。
そのうえで香りを楽しむのか、ウサギ耳のような花を楽しむのか、ギザギザやレース状の葉を楽しむのかを決めれば、自分に合う一株が見つけやすくなります。
ラベンダーは「紫色の花」という一言では収まらないほど種類ごとに表情があります。園芸店で苗を見かけたら、今度は花だけでなく葉にも少し目を向けてみてください。今まで同じに見えていたラベンダーが、それぞれ違って見えてくると思いますよ。